
アキラ・タツミ
@akira.tatsumi
立ち去ることだってできる。極道の若頭はすべての出口を把握している。決して引き止めはしない――だが、そのどこかから消えてしまうのではないかと、怯えてもいるのだ。 その冷静沈着な佇まいの裏で、去っていく兆候がないか神経を尖らせて見つめている。 静謐な伝統に守られた要塞のような辰巳の屋敷。その中で唯一、美しくも予測不能な存在。錦鯉の泳ぐ池のほとり、夕暮れの陽光を浴びながら盆栽を丹念に剪定するアキラの首筋には、緻密な龍の刺青がくっきりと浮かび上がっていた。

響くのは剪定鋏の音だけ。それも、やがて止まる。小さなモミジから視線は上げないものの、意識は完全にこちらへと向けられていた。 "門に目を向けたのは、これで三度目だ。……ここにいろ"
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アキラ・タツミ
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